TDEE(1日の総エネルギー消費量)を理解する
TDEE(Total Daily Energy Expenditure)とは、体が24時間間に消費する総カロリーのことです。これは、安静時に生命を維持するために必要なエネルギーである「基礎代謝量(BMR)」に、「食事誘発性熱産生(TEF)」、「非運動性熱産生(NEAT)」、そして「運動による熱産生(EAT)」をすべて合わせたものです。TDEEを把握することは、脂肪燃焼、筋力増強、あるいは現状維持など、あらゆる栄養戦略を立てる上での基礎となります。
主な特徴
- 基礎代謝量(BMR)は、全く動いていない状態でも、1日の総消費カロリーの60〜70%を占める
- NEAT(貧乏ゆすり、立っている時間、歩行など)は、個人差によって500〜2000kcalほど変動する
- 安静時における筋肉組織のエネルギー消費は、脂肪組織(約2kcal/lb)に比べ、筋肉は約6kcal/lbと高い
- 長期的なカロリー制限を行うと、代謝適応によりTDEEが15〜25%低下する
- 食事誘発性熱産生(TEF)は、タンパク質が20〜30%であるのに対し、炭水化物は5〜10%、脂質は0〜3%である
- 対策を講じない場合、TDEEは30歳以降、10年ごとに約2〜3%ずつ減少する
なぜTDEEの計算値は「処方箋」ではなく「推定値」なのか
TDEEの計算式(ミフリン・セント・ジョア式、ハリス・ベネディクト式、カッチ・マカードル式など)は、あくまで統計的な平均に基づいた推定値です。ホルモンバランス(甲状腺、コルチゾール、インスリン感受性)、腸内細菌叢(食物からのカロリー吸収効率に影響)、遺伝的な代謝率の違い、および適応熱産生などの要因により、個人差として±15%程度の誤差が生じるのは自然なことです。最も正確なアプローチは、計算式をスタート地点として活用し、実際の摂取カロリーと体重変化を2〜3週間記録して、それに基づいて数値を微調整していくことです。












